【受講レポート 有限会社熊本三友保険 水元敬子】
再保険と聞くと、2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロの影響で国内の各損害保険会社が多額の被害を被ったということでその存在を知った方も多いのではないでしょうか。日本の各保険会社はおおよそ収入保険料の現在9%ほどを再保険会社へ保険料支出をしており、東日本大震災の際には保険金支払いの40%ほどを再保険金でカバーしたとなっています。ただ、日本の損害保険料のGDPに占める割合比は世界の主要国中でも低く、世界平均値の2.81%を下回り、現在2.37%にとどまっています。また、企業保険においては、更に低く0.8%となっています。つまりまだまだ、損害保険での経済損失へのカバーができていない状態と言えます。
熊本地震に至っては、内閣府が発表している経済損失4.6兆円に対して、損害保険による支払い金額は5213億円であり、12%ほどしか保険金でカバーができていなかったことになります。尚、熊本県の熊本地震以降の地震保険の世帯普及率は2016年度末で35.6%と、熊本地震以前と比較するとかなり増加しています。これは損害保険代理店の方々の努力の賜物です。しかし、それでも30%台の加入率というのは、一度済んでしまった災害に対して、「もう起こらない。」という思い込みをする人間の特性が影響していると思われます。
最近のリスクは、核戦争、大地震、大規模火山噴火、サイバーテロといった外的要因によるものにとどまらず世界中が多様なリスクに脅かされています。サプライチェーンリスク等事業継続に関するものはいざ発生してしまうと経済競争からの脱落は免れません。再取引が不可能になってしまうという取り返しのつかない事態が起こってしまいます。
世界の自然災害発生は件数から見ても明らかに増加しており、今後も増加すると思われます。日本は米国と比較しただけでも自然災害に対する無保険割合が相当高いという現状を理解いただき益々の損害保険の普及と発展のために、という役割を代理店の皆様に担っていってほしいと思います。(一部抜粋)
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